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宮川秀之氏と語る117クーペ [117クーペ]

- 117の日の朗報 -
 ちょっと前の話になりますが1月17日(木)の夜、117オーナーズクラブの
epa96さんから電話がかかってきました。

「明日、大阪来ない?」

「はぁ?明日?平日ですけど・・・」

信じられない話ですが、あの宮川秀之氏が会ってくれるというのです。!
実は昨年、東京でもクラブのメンバー数人が宮川氏と会っているのですが、
こんなに早く、チャンスがめぐってくるとは思っても見ませんでした。

電話口では「行きたいけど、急に明日って言われても。会社あるし・・・。」
ほとんどあきらめて電話を切ったのですが、
体はもう行く準備をはじめていました。(^^


翌日、10年ぶり(!)に新幹線に乗って、大阪にやってきました。
約束は6時半でしたが、4時前にはザ・リッツ・カールトンホテルに到着。





ホテルにはコーンズのショールームがありました。






暖炉のあるロビーで緊張しながら、しばし待つ。








- いよいよ面会 -

部屋でお話するのかな?会議室みたいなのがあるのかな?
と思っていましたら、こんな感じのラウンジでの面会となりました。(汗)
ほかの方もみえますし、ストロボ撮影は遠慮することにしました。







宮川氏は冒頭にこんな話をしました。

「117クーペ誕生に大きな役割をはたした、ギア社の責任者ガスパルド・モーロ氏が、
昨年亡くなったんです。それで117クーペの誕生のいきさつを知る人が、
私ぐらいしかいなくなりまして、今のうちに、しっかりと伝えておこうと思ったんです。」

 
「亡くなったガスパルド・モーロ氏が、 “いすゞはこれから大切な顧客となるから、
すこし予算をつけようじゃないか” と言って、117スポルトの計画がスタートするんです。
その頃はまだ、ジウジアーロがやってくる前のことですから、サピーノが描くんですが、
なかなか私が気に入るものができなかったんです。」
 

その後、ギア社のチーフデザイナーはサピーノからコジョッラ、そしてジウジアーロと
代っていくのですが、彼に描かせたら一発OKとなったわけです。
それから3ヶ月で製作し、'66年のジュネーブ・ショウでギア社のブースに
「ギア- いすゞ117スポルト」が登場するのです。



今回のお話では、117に限らず、ブドウ農場の話やら、エンツォとのエピソード、
オートバイ旅行の話など実に多岐にわたり、ざっくばらんにお話をしてくださいました。
しかし著書を読んでいないと、事情がつかみにくい話も多く、汗をかきました。
映画制作の話もその一つです。
パレスチナとイスラエルを舞台にコメディ映画を作るという話をされたのですが、
主役はスバルのクルマだそうで・・・・。
はじめは、「なんで映画制作?」と思って聞いてましたが、
宮川氏の長男マリオ氏は黒澤監督やフェリッーニ監督の下で映画を学んだことが
著書に書いてあったことを思い出しました。
その長男の勧めでつくった会社がコンパクト社で宮川氏が社長を務めているのですが、
映画やサッカー関連の仕事をしているのです。

「イタリアに住んでると、日本なんてはるか彼方の国で、日本のニュースなんて
まず流れません。だから文化交流が重要なんです。」

とおっしゃる宮川氏、今年で71歳になりますが、まだまだ様々な計画をお持ちのようで、
そのスケールの大きさには驚くばかりでした。





宮川氏の一語一句を聞き逃すまいと必死の面会も2時間ほどで終わりました。
しかしながら、ワタクシは「宮川氏にここを聞きたい!」という質問の準備が
まったくできてなかったことに、後になって気づき、とても後悔しました。







117クーペが昭和43年に発売されて今年でちょうど40周年。

イタルデザインも40周年。

毎日、ワタクシがお世話になってるメーリングリスト「PAnet」は今年で10周年。

記念すべく年に、こうして一つの夢がかない、思い出深い一日となりました。

最後に、epa96さんには特別の配慮をしていただきまして、ありがとうございました。m(_ _)m



現在宮川氏は、CAR GRAPHICにて「浦島ITALO --伊國日記」を連載中です。
(210ページあたり)



<過去の関連記事>

新・われら地球家族      http://blog.so-net.ne.jp/1565/2006-05-31

マンスリー・エム 創刊号  http://blog.so-net.ne.jp/1565/2006-06-20

森繁さんのライレー      http://blog.so-net.ne.jp/1565/2006-06-25

ストゥディオ エンメ      http://blog.so-net.ne.jp/1565/2006-06-22

<参考にした記事>

ちょっと古いクルマ いすゞ編 -2 http://blog.so-net.ne.jp/987/2006-08-07


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gop

何回かに別けて載せるのかと思いました(^^
パレスチナとイスラエルのコメディ映画ってのはどんなのでしょう?
コメディになるのかしらん?興味津々。
御大や宮川さんにはまだまだお聞きせねばならない事が沢山あるので、
PAnet10周年でもお呼びしたいですね。
って、こちらから行けばいいのか(^^

マンスリーMの記事、特に時系列は間違いだらけと言う事が判りました。
只今検証中、サルジョットさんはプリンスでR380も手掛けられた由。
by gop (2008-02-09 05:06) 

117おやじ

宮川さんにいつかお会いできたなら私がお話ししたい事はただひとつ、
「117coupeを作ってくれてありがとう」それだけです。
by 117おやじ (2008-02-09 06:19) 

kanican

luka さん
nice! ありがとうございます。
by kanican (2008-02-09 20:59) 

kanican

robincyan13 さん
nice! ありがとうございます。
by kanican (2008-02-09 21:00) 

kanican

gop さん
>何回かに別けて載せるのかと思いました(^^
そうですね、以前だったら分けてましたね。
何故かつくり方が変わってきたみたい。(^^

>コメディになるのかしらん?興味津々。
両国は戦争ばっかりしているイメージがあるのですが、
市民レベルでは深い繋がりがあるそうで・・・・。
パレスチナからの撮影許可もすんなり下りたらしいです。

>って、こちらから行けばいいのか(^^
そうです、トスカーナに行かねば!

>マンスリーMの記事、特に時系列は間違いだらけと言う事が判りました
ではgopさんがまとめて、「ENGINE」にでも売り込んでください。(^^
by kanican (2008-02-09 21:08) 

kanican

117おやじさん
そうですね、宮川氏の眼力によるところも大きかったわけですから。
現役の117に触れられた我々も幸せです。
by kanican (2008-02-09 21:12) 

’80XE PA96E

加者なのにコメント出遅れましたね。今日はスタッドレス履いたクーペで、白くなった道路を少々走ってました。今は大分融けてきましたが。
epa96氏より急遽お声が掛かり、仕事を終わって急ぎハンズで買い物してからホテルに行きましたが、どこに居るのか判らずウロウロしてましおりました。kanicanさんが来るとは想像してませんでしたので驚きましたが。
2時間少々の時間はあっという間でしたね。でも遅れてきたので、冒頭のクーペの話は伺えてなかったのが残念でしたが。
私的にはワイナリーを所有されてるので、その辺りは興味深々でしたね。

次回の機会が出来るなら、クーペでのイベントなどで来ていただけたら良いんですがね。
by ’80XE PA96E (2008-02-09 22:14) 

’80XE PA96E

さきのコメントの冒頭の部分(参加者)です。参が抜けてしまいました。
by ’80XE PA96E (2008-02-09 22:17) 

kanican

’80XE PA96E さん
>epa96氏より急遽お声が掛かり、仕事を終わって急ぎ
仕事とこちらとどっちが大事なんですか!(爆)

>クーペでのイベントなどで来ていただけたら良いんですがね。
トスカーナに117クーペを持って行きましょう!(大爆)
by kanican (2008-02-09 22:24) 

くっさん。

憧れの人にお会いするって、ワクワクします。貴重な体験ですね!
写真で見る宮川氏も、いいお人柄が滲み出ているように思います。
やはり、極めている人は違います(^^)
by くっさん。 (2008-02-12 17:00) 

kanican

くっさん。
実際にお会いすると、昭和30年代にオートバイで世界一周旅行という、
破天荒なことをするような人には見えないんです。
でもそれがきっかけで、今日の日本の自動車産業の礎(いしずえ)の一人
となったのですから、驚きです。
日本のほとんどの自動車メーカーには出入りしていたそうです。
圧倒されっぱなしでした。
by kanican (2008-02-12 23:05) 

黒川 隆夫

先日、勤務帰りの車中のNHKラジオ深夜便で、遅ればせながら、始めて宮川さんのことを知りました。お話の内容、お声から、少し先輩(小生1947生まれ)の、お人柄にほれぼれしながらじっと聞いておりました。特に、奥様のマリーザさんとの深い愛情の繋がりにはとても感銘を受けました。
私の父は明治生まれのもうすぐ97才(5月7日)ですが、母(大正8年生まれ)が数年前他界した時、最後の別れ際に棺の母に寄り添って「今までありごとう」とごく自然につぶやきました。
そのことと、テレーザさんのことが重なり、私も今年で36年間一緒の妻に対して、日頃悪たれを突き通しのわが身を深く反省しているところでございます。
ご家族ともども、今後ますますのご活躍されますことを影ながら応援致しております。
以前、百貨店に勤めていた頃、「イタリア展」を開催した折に、イタリア文化会館に大変お世話になったことも、付け加えさせて頂きます。
ご家族の皆さまが、健康に過ごされますように。
by 黒川 隆夫 (2008-04-30 13:35) 

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