7月に、タマネギ畑を土壌消毒しました。
通常、苗床(種を播いて苗を育てる場所)にはどこのタマネギ農家も土壌消毒します。
病気を発生させないのと、草を生やさないという意味もあります。

しかしながら、苗を定植する畑となるとなかなか土壌消毒する人はいません。
経費がかかる(10a あたり6万円以上)のと、ビニール被覆するのがたいへんだからです。
しかし、どうしても病気(菌核病、べと病)がでる畑では土壌消毒が必要となってきます。


今年のタマネギは小玉傾向で、ここ愛知県知多半島地区でも
1月~4月までの農協集荷量は前年比66%しかありませんでした。
その理由としては

① 昨年10月に2つの台風によって苗の生育が悪かった。
② 昨年12月~今年2月の寒さが厳しく、生育が2週間以上遅れた。
などが一般的に言われている原因です。

ワタクシのタマネギもその例に漏れず、収量はイマイチでした。

この写真は土壌消毒した苗床のあとにタマネギを定植したところと
その隣(右側)が土壌消毒してない畑。撮影日は今年の5月18日。
品種は「甘70」(七宝)で同じ品種でも右側は葉が枯れているが
土壌消毒してある場所は青々としている。
収量は右側が小玉傾向で左側の約半分で減収の大きな要因でした。
このことで土壌消毒の必要性を強く感じたのです。






使用する薬は「バスアミド」。(微粒粉末状の薬)
ジョウロのような散布器を使用しますが、パイプの穴から思うように出てこなくて使い辛い。




この畑(甘70の畑とは別)は病気がひどいので、毎年、土壌消毒しています。
より効果を高める為に粉の石灰窒素を同時に施用します。





面積は7aなので20kgぐらいのバスアミドと石灰窒素(60kg)を散布。





トラクターで耕転したのちにかん水。水分によってバスアミドが気化する。







そしてビニールで全面被覆。これがたいへんな作業。
一人でやるので作業開始から被覆するまで6時間、
休憩なしの必死な作業です。

被覆材はビニールハウスで使用済みのビニールがもらえれば一番いいのですが
そのあてもないので、新品の農ポリ(0.07ミリの厚さで幅4.6m)を買っています。
多くの人は幅6mのものを使用していますが、我が家では普段倉庫の2階で
保管しているので、6m幅のは重くて2階に上げられません。






畑を全面被覆するのがたいへんなので、昨年はバスアミドをやめて微生物殺菌剤
「ミニタン」を使用してみました。
微生物が菌核に寄生してやっつけてくれるハズだったんですが、
まったく効果はありませんでした。
個人的にはタマネギに病気がでるのは1種類の病原菌だけでなく複数の病原菌が
あるのではないかと思うのです。なのでこのミニタンのように特定の菌だけに作用する
薬では効果が得られないと思いました。





ビニール被覆しても、その後の管理がたいへんです。
普通はピーンとビニールを張って被覆するのですが、
ワタクシは案外そのへんがいい加減。
なのでちょっと強い風が吹くとすぐに、風船のように膨らんでしまいます。
先の7月29日、三重県に上陸した台風12号(逆走台風)のときも
早朝、見に行くと1枚のビニールがはがれて道路を横断していました。(汗)
それでもめげずに、やらないよりやった方がいいので、
7月だけで3枚の畑、計20aやりました。
もうあと1箇所7aをやる予定にしています。(そんなにできるかなぁ。)

こうして来年も大きなタマネギを何とかつくりたいデス!




 追
 逆走台風は風ばかりで、知多半島の降雨量は10ミリ以下、迷惑な台風でした。
 みかんの木も枯れそうです。